
泣かぬ鼠が身を焦がす
第9章 磯の鮑の
俺の言葉に少し黙る杉田さん
しばらくしてから
「俺のため?」
と聞いてくる
ほんと、なんか今日は変だね?
「そうだけど。なんか悪いの?」
「…………いや、そうだな。今日は何もしないで寝ることにするか」
そうだそうだ
寝ろ寝ろ
「ならこれ、解いてよ」
俺が手首ごとネクタイを差し出すと、杉田さんはそれを無視して身体についた泡を流した
そしていつもの様に俺の背中側に入ってくる
この、背中側に密着されるのちょっと慣れたかもとか思ってた自分が嫌だわ
こんなん慣れるかっつーの
どきどきと高鳴る自分の心臓に心の中で叱責した
すると後ろから前に杉田さんの手が伸びてきて、俺の腕に触れる
漸く解放される、と安堵したその時
「?」
その手をくい、と退けられて
「!!」
杉田さんの手は、再び俺の股間に
「ちょっ……何すん……っうあ、ぁん」
なんで……俺のちんこ持って……っ
さっきもこんなことあったよな?
「さっき、中途半端にしたままだったからな。ノラのだけでもちゃんと抜いておかないといけないだろう?」
「今落ち着いて……ん、たぁ、じゃん……っふぁ、」
