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密ばち

第16章 番外編~トイレでの火花~

「啓二くん……っ!好きです!!!」



今まさに告白を受けていた。


見るからに今時の、巻き髪をして露出の多い女子に。




「…あ、ありがとう!」



一応ニコッと笑みを返す。

だが内心は戸惑っていた。
自分には好きな女がいる。
素直に言ったら目の前にいるこの子は泣いてしまうだろうかと。


散々悩んだあげく、



「ありがとうね。けど、好きな人がいるんだ。君の気持ちは嬉しい。だから…ごめんね」




そう言って彼女の目線の高さまで覗き込む。




(泣いちゃうかな…)



そう思った時。








「…………ちっ」





舌打ちをされ、キッと睨み付けられると彼女はすぐ帰って言った。




……ポカーン





口をあんぐりと開ける。





「……今日はこのパターン、か…」




悲しげに肩を落とす啓二。

正直、無口で走り出す子はいてもここまで敵視されたのは初めてだった。



(なんて言えばよかったんだよ……)




これだから女子は怖い、とトボトボ帰る啓二であった。



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