
密ばち
第15章 新たな火花
夕飯を済まし、弥月の部屋で色紙を書く二人。
弥月のアルバイト先は個人経営の蕎麦屋で、人数が少ない。
そのため、従業員同士の仲がよい。
職場を辞める人には贈り物とともに色紙を渡すことになっている。
弥月は色とりどりの折り紙をメッセージカード風に切り取り、色紙に張り付けた。
「…………」
基本無口な修斗には慣れたが、しーんとした部屋は少し寂しく思う弥月。
「先輩!」
弥月は耐えかねて話題を提供しようとした。
(何がいいかなあ……恋バナとか…のってくれるかな)
色々と話を聞いて勉強したい、と思った弥月はこう告げた。
「先輩って、好きな方とかいるんですか?」
興味津々で聞く弥月。
今までの修斗は恋だの彼女だの、それらの噂が流れることすらなかった。
正直気になるものは気になる。
すると修斗は言った。
「……まえ」
「え?」
「お前。」
弥月はポカンと口を開く。
この人はいったい何を言っているのか。
そしてその切れ長の瞳は自分の瞳をとらえて赦さない。
修斗はゆっくり弥月への距離を縮める。
黙って何も言わず、顔を近づけてくる。
弥月はドクンと心臓がなった。次第にその鼓動は速くなる。
憂いを帯びたその瞳から逃れることが出来なくなり、弥月はギュッと目をつむった。
(キ、キスされる……っ!!)
震えながらその顔は熱を放つ。
弥月のアルバイト先は個人経営の蕎麦屋で、人数が少ない。
そのため、従業員同士の仲がよい。
職場を辞める人には贈り物とともに色紙を渡すことになっている。
弥月は色とりどりの折り紙をメッセージカード風に切り取り、色紙に張り付けた。
「…………」
基本無口な修斗には慣れたが、しーんとした部屋は少し寂しく思う弥月。
「先輩!」
弥月は耐えかねて話題を提供しようとした。
(何がいいかなあ……恋バナとか…のってくれるかな)
色々と話を聞いて勉強したい、と思った弥月はこう告げた。
「先輩って、好きな方とかいるんですか?」
興味津々で聞く弥月。
今までの修斗は恋だの彼女だの、それらの噂が流れることすらなかった。
正直気になるものは気になる。
すると修斗は言った。
「……まえ」
「え?」
「お前。」
弥月はポカンと口を開く。
この人はいったい何を言っているのか。
そしてその切れ長の瞳は自分の瞳をとらえて赦さない。
修斗はゆっくり弥月への距離を縮める。
黙って何も言わず、顔を近づけてくる。
弥月はドクンと心臓がなった。次第にその鼓動は速くなる。
憂いを帯びたその瞳から逃れることが出来なくなり、弥月はギュッと目をつむった。
(キ、キスされる……っ!!)
震えながらその顔は熱を放つ。
