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密ばち

第13章 思わぬ遭遇

その頃。



何か嫌な予感がしていた恭介と啓二はそれぞれ弥月を探し回っていた。



海の家の角を曲がった時、丁度二人は出くわした。




「あっっ」



「お前っっ」




しばしピリッとした空気が張りつめる。
が、今はそれどころではないと各々は思いだした。


「あの…弥月…知らない?」


恭介は啓二なら分かるかと思って聞いてみるが、啓二は首を振る。



「いや……やばいことになってないといいんだけど…」



「とりあえず探そう!」



「おう!」




とりあえず二人は辺りをくまなく探すことにした。




5分ほど走り回っていると、岩場の影から見覚えのある顔が見えた。



「弥月……?弥月か!」



「弥月ちゃん!って…隣にいるのは蓮か…?」



「蓮?」



「ああ、俺と一瞬にきた友達」



「でもなんで一瞬に…?」




そう言っている間に二人はこちらに歩いてくる。



やっと出会えた愛しい彼女に今でも飛び付きたいと思う啓二と恭介だが、そこは抑えた。




「弥月……!なんで遅かったんだよ」



恭介は弥月に駆け寄る。



「ごめんね恭介…男の人たちに囲まれてたらこの人が助けてくれたの」


「こんちは!弥月ちゃん危なかったよ~!恭介くん…て言ったかな?」



「あ、はい…」



「ちゃんと守ってあげなきゃだめだよ?女の子なんだから」



「……ありがとうございました」



少し気に入らないが、一応お礼を伝える恭介。


わなわなした様子で蓮を見る啓二はやっと口を開いた。



「お前…どうして…じゃなくて、弥月ちゃん大丈夫?」



弥月の顔を覗き込み、頭に手をのせる啓二。

そしてその光景をよく思わない恭介。



「……みなさん、ご心配かけてしまい、すみません!」



勢いよく頭をさげる弥月だが、その弾みで豊満な胸は揺れる。

ここが野郎どもの駄目なところなのだが…3人はついついその谷間に釘付けになった。



ハッと我にかえった恭介は頭をさげると弥月を連れて去っていった。





残された男二人。


この後それぞれのペアがお互いを尋問することになったのは言うまでもない。


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