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一方。




啓二と蓮の二人も海に来ていた。


「なにが悲しくて男二人で来てんだよ！！」



「いやあ！いいね！海！」



「聞いてねえしっ！！！」



お気楽な蓮にツッコミを入れながら、啓二は海岸で弥月のことばかりを考えていた。



最近は弥月と一緒にいたあの男が気になり、なぜか苛立ちを隠せない。



目の前にいる蓮は周りを見渡しかわいい女の子がいないか探している。

この光景が苛立ちをさらに大きくさせた。



「……ん！あの子、啓二が好きな弥月ちゃんに似てる」


「はあ？んなわけないだろ」



「いやいや！見てみ！男と歩いてるけど！」




「んなわけ…………！？」



啓二は見つけた。
本当に弥月だった。
そしてあの時火花を散らした男も一緒だったのだ。



可愛らしいワンピースに身を包んだ彼女にすぐさま飛び付きたいが、このまま行くと隣の男に制されるだろう。


どうしようかと考えている時、蓮が提案してきた。



「啓二、俺に任せて！！」


満面の笑みを浮かべる彼に、啓二は嫌な予感しかしなかった。