
俺の幼馴染
第4章 液晶画面越しの関係
「味噌の量もわかんねえの?」
俺が首を傾げる様子を見て呆れた薫が、後ろから抱き締めるようにしてお玉を握る。
後頭部に当たる暖かい風の正体は、薫の吐息だ。
「料理とか、出来ないから…。」
痺れるように脳がとろけていく。
俺は紛れもなくこのシチュエーションに酔っている。
やっぱり異常なのかなあ。
どくどくと大きく、速く心臓が動く。
「今時は、料理が出来る男はモテるんだぞ。まあ、御前は料理なんかしなくてもいいけど。」
モテるなら料理できた方がいいのに、何で俺は料理しなくてもいいんだ?
「何で俺は料理しなくていいの?出来たほうが得じゃん!」
そう言うと一旦薫が、んー、と唸る。
「御前が料理出来るとか生意気だろ。」
「何それ酷い!」
「はいはい、味噌の量がわかんない方が彼方らしくていいよー。」
「やだ!」
俺が必死に反抗する中でも、薫はさっさと味噌を入れる。
でも、絆創膏が巻かれた指を見ると、きゅっと胸が切なくなる。
「薫、」
俺は何を思ったのか、両手で薫の手を包み込んだ。
「どうしたの。」
薫は一瞬驚いたけど、すぐに俺の手の中から手を離して、逆に俺の手を包んでくれた。
「…何でもない。」
手を包まれると、段々と冷えた手が温まってくる。
そっか、と言って笑った薫は、自分の顎を俺の頭に優しく乗せた。
「くすぐったい…。」
思わずふっと微笑む。
何分かそうしていた気がする。
幸せだな、とストレートに思った。
でも、時計を見た瞬間現実に引き戻される。
「か、薫っ!時間!」
俺たちははっとして、ばっと身を離す。
「彼方ごめん、俺急ぐわ!」
超高速で皿に盛って、食卓に運んだ。
俺が首を傾げる様子を見て呆れた薫が、後ろから抱き締めるようにしてお玉を握る。
後頭部に当たる暖かい風の正体は、薫の吐息だ。
「料理とか、出来ないから…。」
痺れるように脳がとろけていく。
俺は紛れもなくこのシチュエーションに酔っている。
やっぱり異常なのかなあ。
どくどくと大きく、速く心臓が動く。
「今時は、料理が出来る男はモテるんだぞ。まあ、御前は料理なんかしなくてもいいけど。」
モテるなら料理できた方がいいのに、何で俺は料理しなくてもいいんだ?
「何で俺は料理しなくていいの?出来たほうが得じゃん!」
そう言うと一旦薫が、んー、と唸る。
「御前が料理出来るとか生意気だろ。」
「何それ酷い!」
「はいはい、味噌の量がわかんない方が彼方らしくていいよー。」
「やだ!」
俺が必死に反抗する中でも、薫はさっさと味噌を入れる。
でも、絆創膏が巻かれた指を見ると、きゅっと胸が切なくなる。
「薫、」
俺は何を思ったのか、両手で薫の手を包み込んだ。
「どうしたの。」
薫は一瞬驚いたけど、すぐに俺の手の中から手を離して、逆に俺の手を包んでくれた。
「…何でもない。」
手を包まれると、段々と冷えた手が温まってくる。
そっか、と言って笑った薫は、自分の顎を俺の頭に優しく乗せた。
「くすぐったい…。」
思わずふっと微笑む。
何分かそうしていた気がする。
幸せだな、とストレートに思った。
でも、時計を見た瞬間現実に引き戻される。
「か、薫っ!時間!」
俺たちははっとして、ばっと身を離す。
「彼方ごめん、俺急ぐわ!」
超高速で皿に盛って、食卓に運んだ。
