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俺の幼馴染

第4章 液晶画面越しの関係

「ちょっと才能に妬いちゃうな。」

背後から声が聞こえて振り向くと、そこには真野先輩が立っていた。

「真野先輩も十分上手いですよ。」

「どうかな。」

ははっと笑うと、先輩はスポーツドリンクを口にした。

彼奴は小さい頃から、いろいろな才能が突出していた。

故のプレッシャーも大きかったのか、特にどれにも力をいれることなく過ごして来た。

まあ、唯一あるとすれば家事。

寮での薫と学校での薫。

学校での薫とは少し距離が空いているような気がした。


「彼方、ってさ。どんな子がタイプなんだ?」


…そんなことを考えていたのは俺だけのようで、先輩は違う話題へ話を逸らした。

俺のタイプ?

そんなの考えたことなかったな。

でも、一つだけ言えるのは、温もりをくれる人がいいということだ。

それがタイプってやつなのかはわからないけど。

「温かい人が、好きです。」

「成る程。人情に溢れるような人、俺も良いと思うよ。」

少し難しい言葉に直すと、人情に溢れる人、らしい。

俺の回りにそんな人いたっけ。

…たくさんいるな。

真野先輩に、薫に、田中に…。

あれ、男しかいないや。

女の子とはやっぱり縁が無いのかなー、なんて。

少しがっかりしてみた。
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