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俺の幼馴染

第4章 液晶画面越しの関係

ちょうど俺が着替え始めた頃に、薫が隣の部屋から出て行ったであろう音が聞こえた。

薫はいつも朝食を作るために、毎朝着替えずに調理を開始する。

薫曰く、制服が汚れたらモテない、らしい。

そこまでしてモテたいのかよ。

けしからん奴め。

…でも、やっぱりいつもありがとう。

とか言ってみる。

「よし…着替え終わった。」

まだまだいつもに比べたら余裕のある時間。

俺は部屋を出て、キッチンに向かった。

たまには手伝ってやろうかな、と俺の良心が働いたのだ。

キッチンに近付くに連れいつもの鼻歌が耳に入ってきた。

良い匂いがするキッチンに入って、薫に話し掛ける。

「おはよう。俺、今日早く起きたんだ。することないから手伝う。」

こちらをちらりと横目で見て驚く薫。

だけど包丁を持っているせいでオーバーリアクションは出来なさそうだ。

「おはよう。…んー、じゃあ今日は和風だから、味噌汁に味噌いれといて。」

「了解。」

普段扱わない調理前の食品に興味を持ちながらも、俺は楽しくてワクワクしていた。

味噌を手にとって、どのくらい入れるのかな、と悩む。

薫はそんな俺をみて、くすっと笑った…ような気がした。

「うーん…。……うわっ、なに…?」


すると、背後からふわりと抱き締められる感覚がした。

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