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誠の華

第2章 小姓ってこんな感じなの?


「あ、あ........っ!!!!」


咄嗟に自分の胸と下半身を隠すべく腕を伸ばす




しかし




グッと手を掴み持たれ




「やっ、沖田さんっ、離し.....」


声を張り上げるも




「っはぁ....」




撫で上げられた首筋に声が漏れる




「此処も......」





普段の沖田さんからは想像も付かない位、低い声


真っ赤になる私を余所に、その声とは裏腹に、その手付きは恐ろしいほど柔らかで細やかだ




身体を辿る指の線に



「ふぁっ.....」



自分の声じゃない甘くて、



「ん.....や.........んっ.......」




淫らで、淫奔的な声が私の喉を突き抜ける






首筋を何度も、往復する指先がスーッと引き




目の前に翳された




沖田さんの掌に付いた血液に気付いたのはその時だった





「男がさ」



その手が私の太腿を下から上へ撫で上げた瞬間放たれた言葉と手付きにゾクリとした


「欲望を抑えられない瞬間って知ってる?」




潤む視線を上げるとそこには





一匹の獣が居た





その姿は丸で孤高の狼の様だった




ギラリと輝く鋭い眼差し、普段の穏やかな眼差しを奥にしまい....




血に酔ってる様にも見えるその姿は






怖くて





怖くて







怖いのにとても綺麗に見えた





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