
誠の華
第2章 小姓ってこんな感じなの?
ドクドクドクと胸が早鐘を鳴らす
「じょ、冗談ですよね......」
引き攣った顔で一歩一歩下がる
無言で近付いてくる斎藤さんが恐ろしく目に涙が溜まる
そしてアッという間に近づくと
「キャッ......」
一瞬の内に帯が解かれた
解かれる勢いで傾く身体
倒れそうになるのを支えてくれたのは斎藤さんだった
腰に触れる大きな手
力強い腕にグッと引き寄せられ
私の心拍数も鰻登り
細そうに見えて筋肉質で厚い胸板に男の人なんだなと実感した
端整な顔立ちがゆっくり近づき、耳にダイレクトに届く息使い
「頼むから..........暴れるなよ」
甘く低い声が響いた瞬間篭る手の力
