
誠の華
第2章 小姓ってこんな感じなの?
何とか頑張って見様見真似で着物を羽織る
麩の外側で待ってる斎藤さんが気掛かりで急ぐ様に腕を通す
普段着慣れないモノだと慌ててしまう
何とか形を整えソロリと麩を開けた
斎藤さんが反対側の壁に背を付け佇んでた
その瞳は閉じ、漆黒の瞳は見えない
その瞳をゆっくり持ち上げると目を見開く斎藤さん
一瞬息を飲んだ様にも思える
そして組んでた腕を解くと徐ろに近寄って来た
「斎藤さん?」
その顔が少しだけ怖くて一歩後ろへ下がる
そんな私の腕をグッと掴み持つと一言呟いた
「来い」
あっという間に部屋に逆戻りした私と斎藤さん
そして斎藤さんは呟いた
「脱げ」
