テキストサイズ

誠の華

第2章 小姓ってこんな感じなの?



フワリと身体が宙に浮いた感じがする


「へぇ............一君が珍しいですね」


あ、声がする....


でも、眠たくて起きれない


「勘違いするな。こんな所で寝られて風邪でもひかれたら俺が迷惑だ」


そうか.......私寝ちゃったんだ


「フゥーン、でもさぁ.......」

あ、この声は沖田さん


起きないと......


「接吻はしなくても良かったんじゃない?」



え?


ええ!!!!



い、今何て言った?


沖田さんだよね?接吻って言ったの!!!!



さ、斎藤さんが接吻.......



わ、私に?


お、起きるに起きれなくなった



「勘違いするな、俺はまだコイツを疑ってる」


そう言いながら書物を捲る音


「起きてるかどうか確かめただけだ」

「フゥーン.....それにしては唇が触れてた様に見えたんですけどね......」


そうか.....



斎藤さんは私を疑っているんだ


だからお茶を差し出した時眉間に皺を寄せたんだ


原さんが容れたと言ったら口を付けた訳が解った



何だか凄くショックだ



「あ、そうそう、これ、優さんの荷物です。それからその格好は目立ちますから鬼さんがこれを着せる様にとの事です」


そう言って立ち上がった事が解る


目を瞑って視界は何も見えないが、影が差した。きっと沖田さんが見下ろしてるんだと、妙に緊張した


ふと頬を優しく撫でられ反応しそうになった


優しく優しく撫でる沖田さん


そのまま這う様に唇まで到着すると唇の縁を優しく何度もなぞる沖田さん


そしてやっと離れた指先にホッとした


しかし、ボソッと呟かれた言葉にドキッとした



「いずれ優さんは僕の小姓にします」


その後の斎藤さんの言葉に思わず目を開きそうになった



「今は俺のだ」


ストーリーメニュー

TOPTOPへ