
誠の華
第2章 小姓ってこんな感じなの?
「広いから少しずつ覚えろ.......此処は厠....」
どうやら案内してくれてるらしく、取り合えすお風呂とトイレ後台所を教えてくれた
後は部屋から土方さんの部屋に行く道
お風呂は女だから最後だと言われ頷いた
部屋に戻ると早速、お茶を煎れようと台所へ行く..............も、使い勝手が解らず立ち往生する私
「おや......これはこれは、何処のお嬢さんかな?」
優しい声に呼びかけられゆっくり振り返った先には年配の男の人が居た
「あ、あの......すみません勝手に.....私、お茶を......」
「お茶?」
「あ、はい、斎藤さんのお茶を煎れたくて....」
「斎藤くん?ああ、すると君が噂の小姓だね」
噂かどうかは知らないがコクリと頷くとニコリと笑いお茶の容れ方を教えてくれた
序でに自己紹介もしてくれて慌てて挨拶した私
「私は井上源三郎、料理が好きで良くここに居るんだが解らない事は聞いて良いからね」
「あ、私....優って言います。あの.....斎藤さんの小姓、です....」
宜しくお願いしますと頭を下げるとこちらこそ宜しくお願いしますねと返ってきた
原さんに容れて貰ったお茶をお盆に乗せると斎藤さんの元へ向かった
部屋に戻り、何やら書物を読んでる斎藤さんの邪魔にならない様に小さく声を掛けた
「此処に置いときます...」
何も言わず書物に目を通す斎藤さん
斎藤さんの背中をジッと見つめながら座って待つ私
偶に斎藤さんの湯呑を飲む音に書物を捲る音、そして斎藤さんの息使いが静かな部屋に響いた
その内する事の無くなった私はあの.....と話し掛けるも
「用事が出来たら呼ぶから好きにしろ」と、無愛想に呟かれ、声が掛かるまで ひたすらに待った
その内ウトウトとしだして
いつの間にか夢の中
