
この手を離さないで
第8章 第八章 迷い
コトンっ
目の前に水の入ったグラスが置かれる。
顔を上げると厨房の人だろうか、白いコックコートをきた男が中から顔を覗かせていた
「いらっしゃいませ。
ご注文はお決まりですか?」
『いや、まだ。
…なんかオススメとかある?』
「ありますよ。
今日はボンゴレがイチオシですね!
いかがですか?」
腹減ったしな…。
渚ちゃんまだ来ないし頼んどくか。
『じゃ、それ2つ下さい』
「かしこまりました。少々お待ちください。」
水を飲みながら渚ちゃんが連れて行かれたほうを見た
遅いな。何話してんだろ
「おにーさんってもしかして渚ちゃんの彼氏さん?」
声のした方を見るとさっきの、男がまた顔を覗かせていた。
彼氏…。
そうか、他人から見るとそんな風に見えるのか。
『違いますよ。
彼女とは…。
えーと、ただの知り合いですよ。』
そういえば、俺の渚ちゃんの関係ってなんなんだ?
