
乾いた空
第3章 三章
Sは片手でポケットから煙草を取り出しては火をつけ吸い始めた。
車の中は一気に煙草の匂いでいっぱいに なった。
「吸うか?」
僕に差し出しながら素っ気なく聞いて来た。
「……いえ。」
「そうだよな、
あんな事した後だ。普通の人間なら食欲も無くなるよな。
あんた、あまり動じている感じがしなかったが、やはり初めは堪えるよな。
俺なんか、半年はろくに眠れなかったよ。そもそも多額の借金背負わきゃ、こんな阿漕な事しないけどな。」
Sはせきを切ったかの様に話し初めた。
でも僕にとっては嫌では無く、むしろ"仲間"という安心感があった。
死神同士……
