
乾いた空
第3章 三章
山の奥の川岸へ着くとSは車を止めては布に被された機会と鉄製の工具入れ、ノコギリを出した。
僕は芋虫の様にグルグルに巻かれた縄をほどき、死体をビニールから出した。
ここまで来るのに時間がかかったせいか、死体は死後硬直が始まりかけていた。
「半生だな。」
Sがボソっと呟いた。
僕はその意味が解らなかったが、ノコギリで体を切断する際、死後硬直が始まりかけているので血も固まりかけていたからだ。
Sはそれを上手く関節から外すように切断し初めた。
それは人間の形から、ただの大きな肉片になっていった。
