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乾いた空

第3章 三章





「私は貴方にお金なんて望んで無いんですよ。
私が望んでいるのは普通では始末出来ないものを証拠も何も残さずに始末してほしい。その為でしたらお金なんて貴方にいくらでも払いますよ。
貴方だって、もうこんな人生は嫌な筈。」

男は僕に近づいては興奮しながら話続けるので、どうでも良いことで少し意地悪をしたくなった。


「確かに僕は自分の人生に不満が無いと言ったら嘘になるが、僕が父を殺したという証拠はあるんですか?それに一体何を始末するんですか?」

「現に今、君が来ていることしかないと言いたいが、実はこの部屋は患者に何かあった時の為に管理者だけが分かるカメラが有るんだよ。
だから君がお父様を殺す時の表情が良く見れたよ。
始末するのは君のお父様みたいな人ばかりだよ。殆どは死体だから、分解して証拠を作らないようにするんだ。」

嬉しそうに話す男が奇妙に見えたが、"父みたいな人ばかり"という言葉に反応したということは僕はまだ父を恨んでいることに気づかされた。



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