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乾いた空

第2章 二章




会社を辞めて一度家に戻ることにした。車窓からの景色が見たかったので、直ぐに着く飛行機では無く、あえて長距離列車を選んだ。

僕のなかでは、父親という存在はいないのであって、知り合いの社長が危篤という感覚で、あまり驚くことはなかった。
でも、帰らないと何かケジメが付かないと思ったからだ。

列車に乗っている間に死んだら、それも運命で縁が無かったんだと割り切っていた。


秋が少しずつ深まり、車窓から見る紅葉や田畑が色鮮やかに風に揺れていた。



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