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乾いた空

第2章 二章




サキはこのまま当分、札幌に戻りたいと言い、僕と母を見送ってくれた。
僕は別れたくは無かった。


電車に乗るときのサキは下を向いては中々、顔を見せてはくれなかったが、荷物を渡す手が震えていた。

僕はその震える手を握った。


その手はとても冷たかったが、離したくは無かった。
お互い指を絡ませては、乗車のアラームと同時に指をほどいては、手を離した。

無情にも電車のドアは閉まり、直ぐに発車した。


僕とサキは姿が見えなくなっても見つめ続けていた。


真っ白な雪が………

一面の雪が……


僕には永遠に感じた。



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