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乾いた空

第2章 二章




夜行列車に乗って終着駅まで行こうとしていた。
初めはビル街だったのが少しずつビルが少なくなり、民家が殖えては、少なくなり、少し春めいた景色が北に行くにつれて雪が見えてきては、トンネルを越えるとまさに一面の銀世界だった。
その頃には空が明るくなっていた。

僕の隣にサキが眠っている。
彼女が大切に抱えていた鞄の中から、小さな写真が見えた。綺麗な漆塗りの黒い写真立てに入っている顔は僕が知っている人だった。


その人は
僕が小学生の時に一緒に星を見た運転手だった。



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