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背中デ愛ヲ、囁キナサイ

第1章 暗闇ノ中デ


 若かったといえば、それだけなのかもしれないが、僕は相手の本当の気持ちに気付くこともなく、ただ、会うたびに体を求めてしまっていた。

 その人が、僕のキスを拒むようになっていたことにも気付かずに……

 ようやく異変に気付いたのは、その人との最後の夜だったろうか。

 嫌がるキスを無理矢理した。

 その時、

 そのひとの顎と首の境目に、誰かに吸われた跡を、愛された跡をみつけてしまったんだ。

 ねえ、
 「アイシテル」ってなんだったんだよ……

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