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神籬の内

第1章 荷物

 この都市がおかしいな、って最初に思ったのは東京よりも、はるかに美貌が溢れているのではないかと懐疑になった気持ちは察して欲しい。話を戻そう。……
 稲火は神職の人間である。そんな彼が寄こす内容に興味が傾く。話を聞くととある荷を北の山の神域近くにある神籬神社という歴史深い神社まで荷を運んで欲しいというもおだった。

「荷運びか…」
『そうです。拘束が一週間、決まった時間に収集運搬なんですよね。…前金に三万の完遂で残り七万を入金。これが荷代で別途ガソリン代拘束代で五万なんですけども。……興味ありますか?』
「あるかないかなら、《ある》が答えかな。……でも荷運びでなんでそんなに高額出すの?」

 単純な質問ではあったが、その荷は特殊な物であること。また一度引き受けたら絶対に完遂すること。また詳しくは今回依頼をしてきた相手に詳しく聞くといいながら、依頼人の住所を教えてくれた。

『ではメールで住所は送りますね。今から出られるのであれば、先方には僕が連絡しておきますよ』
「じゃ、お願い♡」

 軽い挨拶を終えて電源を切ると、鏡で出で立ちにおかしなところがないかを確かめて、車のキーを掴むと扉を閉めて【外出中】の札を下ろす。南住宅街に事務所を立てているので、案内にあった古都町までは車で10分もかからないだろう。依頼者と会って細かいことを決めて欲しい。と云われ。拘束期間が七日間ということ。また車の運転ができることが最低限のお願いだそうで。それでも金額的には破格に近い、と嫌な予感が過るのを必死に振り払った。
 古都町はこの神籬市の中でも、外から入る出入り口にあたる。千年以上の古くからあった集落の跡から続くという古い土地柄だ。しかし現代は古民家を利用したカフェや、宿屋などもあるが、老舗の和菓子や佃煮や漬物なんかの店も軒を並べている。古くから続く血族が多い場所で閉鎖的な印象とは違う、以外にもアグレッシブで元気な市民が商いを営んでいた。

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