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妻であること、女であること(仮

第1章 女の勘

そんなことをグルグル考えながら、私は帰宅した。

「ただいま〜」

と言っても、部屋には誰もいない。
夫の帰りは、私よりいつも遅いし
息子は大学に通うため離れて暮らしているからだ。

誰もいない部屋で
私は今日あったことを頭の中でリプレイしながら、台所に立った。

別にリプレイしようとしたわけじゃない
勝手にリプレイされてしまったのだ。

見間違い
話しかけてはいけないような雰囲気
焦る顔の同僚

はぁ……

なんなんだろう
このモヤモヤは。

いや、わかっている。
モヤモヤの原因はなんなのか。

それは
なぜ同僚が見間違えたのか
ということだ。

背格好や髪型が私に似ていたから?

そうかもしれない。
でも、同僚は少し離れたところから私達
(正確には私ではないが)を見たはず。
ということは
夫とその女性の雰囲気が、まるで夫婦のようだった
ということではないのか。
二人は顔を近づけ、真剣な顔で話をしていたんじゃないだろうか。

とても…親密な仲のように…

あ〜ダメダメ
妄想が止まらない。

モヤモヤはするけど、今まで夫におかしな様子はないし
相変わらず優しい人だ。
疑ったりして、夫の機嫌が悪くなったりするのも嫌。
もう、終わりにしよう。
起きてもないことを考えるのは。

そう思いながら夕食の支度をし
夫が帰ってくると
私は何もなかったように夫と二人で食事を済ませた。

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