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中毒の処方箋 〜淫らな輪舞曲〜

第20章 飽食の時。栞(1)

静かなる午後の光が、薄く引かれたカーテンの隙間から室内に滲み入っていた。空気はまだ熱を帯びたまま、微かな湿り気を含んで漂っている。二人の肌に残る汗の匂いと、先ほどの情事の余韻が、部屋の隅々にまで染みついていた。

「栞ちゃん、シャワーを浴びてくるよ」

低く落ち着いた声が、静寂を割った。

栞はシーツの上に横たわり、僅かに乱れた髪を指で梳きながら、ゆっくりと顔を上げた。頰はまだ淡く朱を帯び、瞳はどこか遠くを見ているようだった。

「私も、行きます……」

声は小さく、喉の奥で震えていた。しかし私は静かに首を横に振った。

「もう一回したいんだけど、いいかな? もう一回するんだったら、オチンチンの先、洗っとかないと妊娠するかもしれないから、洗おうと思って…」

その言葉に、栞の肩が微かに強ばった。羞恥が、胸の奥で小さな渦を巻く。彼女はシーツの端を指先で摘まみ、しばらく沈黙した。やがて、ほとんど聞こえないほどの声で答えた。

「私は、ここで……待っています」

浴室に向かう私の背中を見送ったあと、栞はうつ伏せのまま、スマートフォンを手に取った。画面の光が、彼女の白い肩に淡く映る。指は動いているのに、意識はすでに遠く、先ほどまで自分の中に満ちていた熱の行方を追っていた。

私が戻ってきたとき、彼女はまだ同じ姿勢のままだった。滑らかな背中の曲線が、ベッドの白い布の上に静かに横たわっている。その無防備な輪郭が、彼の胸に甘く疼くような疼きを呼び起こした。

私は彼女の隣に滑り込み、躊躇いなく、その柔らかなお尻に手を置いた。掌の下で、肌が微かに震える。指先で割れ目の縦線をそっとなぞると、栞の指がスマートフォンの上で止まった。呼吸が、ほんの一瞬、途切れた。

「ふふっ……ふ、先生……触り方、とってもエッチですね。くすぐったいです……っ」

声は笑っているのに、息が浅くなっている。

「気持ちよくは、なかった?」

「くすぐったいっていうのは……気持ちいいのと、同じ意味、ですよ……っ」

私はさらに指を這わせ、背中へと円を描くように撫でた。皮膚の下で栞の筋肉が微かに波打ち、それからゆっくりと弛んでいくのがわかった。

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