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さくらんぼトラップ

第1章 さくらんぼトラップ

「今日頭痛がひどいから休む。会社終わったらカルビスープ買ってきて」


スマホを仕舞うなりため息が漏れる。


今日は八つ当たりされずに済む、そうホッとする思いと、カルビスープをどうやって美里の部屋に運べばいいんだよ・・・という憂鬱な想いが混じったため息だ。



思いを吐息と一緒に吐き出すと、ふと心配がよぎる。

あいつ、きっと梅雨の曇った日に自律神経の調子が狂うんだな───。


美里にとって僕は、同士であり、ライバルであり、パシリでもあるらしい。



僕は、仕事の後一駅隣の美里の家に向かう。

いつも美里に連れていかれる韓国料理屋に相談したら、テイクアウトに対応してくれた。猛烈な匂いを電車に漂わせて肩身の狭い思いもしたが、僕は指令通り美里の部屋にたどり着いた。


ドアが開いて美里が顔を出す。化粧をほとんどしていない顔で、目は半開きだ。

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