アシスタントで来ただけなのに…!
第1章 鬼才漫画家、市川ルイ
「届いてる!来た!遂に!」
飛び上がった私はすぐさまメールを開いた。
「改めましてこの度はご応募ありがとうございます」
「日程了承しました…当日はお送りした地図を目安にお越しください」
「…市川ルイ」
えっと声を上げた。
これは市川ルイ本人からのメール…?
担当者とかだったら、担当のなんとかだの書いてるはず。
そういったことは書いてなくて、市川ルイと書いてたってことは…。
「そ、そんな…私本人とやり取りしたってこと!?」
家の中で私の大きな声が響いた。
それと同時に鼓動も大きく音を立て始めた。
鳥肌が止まらない…言葉が出ないほど嬉しい。
「やばいよ…やばいなんてこった、やばい…」
黄色い声援のような変な声は止まらない。
何度もメールの文面を見返して、その度に仰天しては倒れそうになっていた。
「っわ!こんなことしてる場合じゃない!」
ハッとなった私はそそくさに自室に戻った。
クローゼットを開けて、かけてあったスーツと鞄を取り出し、机を漁ってシンプルなメモ帳やペンを用意しては並べた。
「市川ルイに会うんだ…これが面接ならちゃんと準備しなきゃ」
一つ一つ指さし確認をして、よしっと意気込む。
「あとはパンプスと…当日にシャツにアイロンして、それから…」
チラッと壁掛けの鏡を見ると私の後ろに黒い影が立っていた。
「っわぁ!?」
大きな声を上げて尻もちをつきそうになった。
後ろを振り返ると何もいない。
そしてまた鏡を見ると、もう影は消えていた。
「なんだ…もうこんな時にやめてよ…」
膝から崩れ落ちて、はぁっとびっくりして跳ね上がった心臓を抑えた。
そう、私は見える体質。
霊感があるのだ。
作品トップ
目次
作者トップ
レビューを見る
ファンになる
本棚へ入れる
拍手する
友達に教える