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アシスタントで来ただけなのに…!

第1章 鬼才漫画家、市川ルイ



「あの…失礼します…」



ガチャっと扉を閉める。



「えっと、誰かいらっしゃいませんかー?」



周りを見渡したが、誰もいない。


屋敷の内装はかなり豪華で、真っ先に目に入ったのは大きなシャンデリアと中央にある馬に乗った騎士のような彫刻だ。



「かなり埃っぽい…けどすごく豪華」



映画で見る豪邸のようだ。



「えっと、これは土足でいいのかな?」



床の材質は大理石のようなものだった。


色あせててよく分からないが、その上に紅色の敷物が敷かれている。


土足厳禁とかだろうかと悩んだが、掃除をされているようには見えないので、パンプスの底についた土をかるく手で払い、ハンカチで拭いてそのまま中に入った。



「し、失礼しまーす」



外からは人の気配がしたのに、中に入ると静寂が広がっていた。


とりあえず誰か探そうと周りを見渡すと、中央の彫刻を囲って三部屋あるようだ。



「一部屋ずつ回っていくか…」



まずは扉がなく、広さのありそうな右手の部屋を伺った。



そこには埃の被った大きなダイニングテーブルとそれに合った数の椅子が置かれていた。


荒れた様子はないが、元々白かったのか分からないくらい色あせた布が被せられている。


奥の方も見てみたが、人の気配はなかった。



次に玄関から左手の部屋に入ろうとしたが、そこの扉の前に立った瞬間、ひどい頭痛がした。



「いった…痛い…」



開けるなと言われているような気がして、すぐさま引き返した。


もう一部屋あったが、そこは彫刻の後ろ側にあってあまりにも薄暗かった。



「あっちは…行きたくないな…」


一階の部屋は全て入ってはいけないような空気がした。


なので、私は紅色の敷物が続いている階段を上がって二階に行くことにした。


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