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7th♡heaven(雑文集)

第24章 ラブ&ポップ

援助交際の小説を書き終え、村上龍の「ラブ&ポップ」を読み返した。

援助交際、と聞くと、悪いこと、下世話なこと、倫理や道独に反した行為、といったイメージを抱くけど

この小説を読むとそういった視点がひっくり返される感覚になる。


援助交際はお金を介しているがゆえに売春とほぼ同義にとらえてしまいがち。

その色眼鏡のせいで視界が曇りその先にあるものが見えづらくなってしまっている。

その、視界が曇った先の景色を村上龍さんが鮮明に描いている。

私はこの物語に没入して、主人公の裕美とともに渋谷をさまよいながら思いを巡らせているような気分になった。

援助交際を通して人が本当に求めているものは何か。

援助交際がよくないと言われるその根拠は何か───。


裕美の思考の連なりはある意味、女子高生が等身大で繰り広げる哲学のようにも感じられる。(裕美語録を作りたいくらい明言がちりばめられている)


物語後半で、裕美は援助交際でお金を得るため、伝言ダイヤルでキャプテンEOを名乗る男と会う。

キャプテンEOとのやり取りが終盤にさしかかると、思わぬ展開が待っていた。

そこからハラハラドキドキしながらページをめくることになるのだが、クライマックスでキャプテンEOは、思いもよらぬ言葉を裕美に告げる。

その言葉は裕美の胸を突きさして、そのまま私の胸まで貫いた。

裕美は表面的にはキャプテンEOから屈辱的な攻撃を受けて打ちのめされるのだけど、実はその後、自分自身が見失っていたものに気づかされる。

ラストシーン、タイトルの「ラブ&ポップ」の意味を知った瞬間、胸にジワリとこみ上げるものがあり、目頭が熱くなった。

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