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脳内ショートストーリー

第7章 【一ノ瀬 楓と樫木 愁也〜ワンナイトの恋?〜】









「……綺麗」



自然と口から零れ落ちたセリフ
目覚めて間もない寝ぼけ眼で、
キミはブラジャーのホックを着けながら
起きた僕に優しく微笑んだんだ
窓から差す光と相まって女神のようにも見えた



「ん…?起こしちゃった?ごめんね」



そう言いつつも服を着出すので思わず僕は
起き上がった
咄嗟に行こうとする彼女の腕を掴んだりなんかして



「え、帰るの?」



昨日、初めて出逢ったばかりで
こんな展開になって
頭が追いついてないのも仕方なくて
でもやっぱりこのままサヨナラするのは
少し寂しい気がして……



「ん?帰るよ?」


「そういや名前も…」


「え、昨日教えたじゃ〜ん、覚えてないならそれで良いよ」


「ま、待って、え?本当に帰るの?」


「うん、また…ね?」


「そうだ、連絡先!教えて…ょ…っ」



スマホ持った手を下ろさせてキスで口を塞がれた
そうだ……僕はこの瞳にヤられたんだ
有無を言わせない眼力
あっという間に服を着たキミは颯爽と帰ると言い
次の約束なんて与えてくれず
キスという魔法とやらで身体を動けなくする



「バイバイ、愁也くん」



あ……僕の名前
え、名前、何だったっけ?彼女の名前……
ダメだ、所々、記憶が抜けてて思い出せない
覚えている事と言えば、とてつもなく甘くて
熱い夜を過ごしたという事
身体だけは覚えてる
最高に気持ちの良い夜だった
忘れる事なんて到底出来ないくらいの夜



追い掛けたら迷惑そうな顔をするのかな
いや、彼女は最初からこうするつもりだった
次なんてない
一夜限りの相手



「……っつ」



思い出そうとするけど二日酔いで頭がズキズキする
確かに、この腕の中にキミは居た
甘い声でたくさん何かを囁いてくれてた気がする
少しずつ感触も蘇ってくる
溺れちゃうくらいキミに組み敷かれていた



所々、記憶の切れ端が繋がるような
またバラバラになるような不思議な感覚
律儀にホテル代半分置いてってるもんなぁ……









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