自殺紳士
第19章 Vol.19:時が降る
『彼』は言った。
「どうって・・・一言じゃ言えないけど・・・」
その言葉を聞いて、正直、落胆した。
なんだ、つまんない。
そんな一般論か、そう思いかけた。
「いろいろな事を見て、聞いて、感じて、考えて・・・
そう・・・、面白い人、ですかね?」
それからいろいろ言ってきた。
――だってほら、部長に怒られた時、
部長が本当は自分の痛いところを突かれたから、
その腹いせに、その場で一番立場の弱い自分に、
当たってたんだって、見抜いてましたよね?
――テレビつまんないって、
人が自分の思いだけぶつけ合って、
やり取りになってないじゃんって、
『あれじゃあ、まるでキャッチボールじゃなくてドッジボールだ』
なんて、上手い喩えだって思いましたし。
――仕事辞めたいと言ってた時は、
ちょうど、係長と主任さんの仲が険悪で、
それを取り持つためにあれこれ根回ししてて、
なんで自分はこんな馬鹿な役回りをしてるんだって言って。
でも、そのおかげで係、うまくいったって。
『誰にも褒められないけどね』って言ってたりとか・・・。
降り積もる『彼』の言葉
それをじっと聞いていたら、
なんだか私の胸は、
ぎゅうっと締め付けられるみたいになった。
「それに、死にたい理由も
『美しさ』っていうだけじゃないって、
思うから。」
私は天井を見上げた。
そうしていないと、
涙が出そうだったからだ。
「どうって・・・一言じゃ言えないけど・・・」
その言葉を聞いて、正直、落胆した。
なんだ、つまんない。
そんな一般論か、そう思いかけた。
「いろいろな事を見て、聞いて、感じて、考えて・・・
そう・・・、面白い人、ですかね?」
それからいろいろ言ってきた。
――だってほら、部長に怒られた時、
部長が本当は自分の痛いところを突かれたから、
その腹いせに、その場で一番立場の弱い自分に、
当たってたんだって、見抜いてましたよね?
――テレビつまんないって、
人が自分の思いだけぶつけ合って、
やり取りになってないじゃんって、
『あれじゃあ、まるでキャッチボールじゃなくてドッジボールだ』
なんて、上手い喩えだって思いましたし。
――仕事辞めたいと言ってた時は、
ちょうど、係長と主任さんの仲が険悪で、
それを取り持つためにあれこれ根回ししてて、
なんで自分はこんな馬鹿な役回りをしてるんだって言って。
でも、そのおかげで係、うまくいったって。
『誰にも褒められないけどね』って言ってたりとか・・・。
降り積もる『彼』の言葉
それをじっと聞いていたら、
なんだか私の胸は、
ぎゅうっと締め付けられるみたいになった。
「それに、死にたい理由も
『美しさ』っていうだけじゃないって、
思うから。」
私は天井を見上げた。
そうしていないと、
涙が出そうだったからだ。
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