
paradise lost
第1章 overture
「……逹樹が言うには特に何も問題は起きてないらしいけど」
もう三年以上『アイツ』に会えていない。この世界で一番大事と言いながらあの地獄のような家に独り取り残してしまった。俺がコーヒーを飲むと口の中に苦いものが広がる。後悔に顔を歪める俺を見て芳樹は眉を顰めた。
「……そろそろ行くわ」
「あ、ああ…」
俺はコーヒーを飲み終えた煌は軽いカバンを持って立ち上がる。芳樹は俺を見送るために、俺と一緒に玄関に向かう。
「じゃあ、行って来る」
「煌…」
正気のない顔の俺を引き止める芳樹。芳樹は俺の額にキスする。驚いた俺は芳樹を見上げる、芳樹は慈愛を湛えた目で俺を見ていた。
「……あまり思い詰めるなよ、煌…もうお前は独りじゃないんだから」
「ありがとて行って来る‼︎」
芳樹の言葉に俺は笑顔で応える。マンションを出ると雲ひとつない青空が俺を出迎えた。俺はこの澄み切った青空の下を希望を胸に歩き出した。
俺の通う来栖学園は著名な音楽家を多数輩出している名門でそれに相応しく競争率が高い。座学はもちろん、ソルフェージュ能力を試されたりしてかなり大変だった。学費もそれなりなのに俺が来栖学園に通えるようになったのは芳樹達の助けがあってこそだった。だからこの三年間は俺が来栖学園に通えるように俺を支えてくれた芳樹達のためにもこの三年間を頑張るつもりでいる。そんな万感の想いを胸に俺は来栖学園を校門をくぐる。
「新入生はどこに…」
柔らかそうな茶髪の男子生徒がどこに行けば良いか分からずにおろおろしている。
(いや、普通に看板にどこに行けば良いのか書かれているだろ)
新入生がどこに行けば良いか看板に書かれているのに行けば良いのかと挙動不審な男子生徒。
(天然なのか?)
俺はため息を吐いて男子生徒に声を掛けた。
「おい…看板にどこに行けば良いのか書かれているだろ」
「え?」
小柄な男子生徒はぽかんと口を開ける。そいつのまるでボタンの掛け違いを指摘されたような惚けた顔に俺はその場で蹲りそうになる。我に返ったそいつは慌てて看板を確認する。
「あ‼︎本当だ‼︎」
(あのな…)
そいつは本当に看板が見えてなかったのか俺の言葉で看板の文字を確認した。
もう三年以上『アイツ』に会えていない。この世界で一番大事と言いながらあの地獄のような家に独り取り残してしまった。俺がコーヒーを飲むと口の中に苦いものが広がる。後悔に顔を歪める俺を見て芳樹は眉を顰めた。
「……そろそろ行くわ」
「あ、ああ…」
俺はコーヒーを飲み終えた煌は軽いカバンを持って立ち上がる。芳樹は俺を見送るために、俺と一緒に玄関に向かう。
「じゃあ、行って来る」
「煌…」
正気のない顔の俺を引き止める芳樹。芳樹は俺の額にキスする。驚いた俺は芳樹を見上げる、芳樹は慈愛を湛えた目で俺を見ていた。
「……あまり思い詰めるなよ、煌…もうお前は独りじゃないんだから」
「ありがとて行って来る‼︎」
芳樹の言葉に俺は笑顔で応える。マンションを出ると雲ひとつない青空が俺を出迎えた。俺はこの澄み切った青空の下を希望を胸に歩き出した。
俺の通う来栖学園は著名な音楽家を多数輩出している名門でそれに相応しく競争率が高い。座学はもちろん、ソルフェージュ能力を試されたりしてかなり大変だった。学費もそれなりなのに俺が来栖学園に通えるようになったのは芳樹達の助けがあってこそだった。だからこの三年間は俺が来栖学園に通えるように俺を支えてくれた芳樹達のためにもこの三年間を頑張るつもりでいる。そんな万感の想いを胸に俺は来栖学園を校門をくぐる。
「新入生はどこに…」
柔らかそうな茶髪の男子生徒がどこに行けば良いか分からずにおろおろしている。
(いや、普通に看板にどこに行けば良いのか書かれているだろ)
新入生がどこに行けば良いか看板に書かれているのに行けば良いのかと挙動不審な男子生徒。
(天然なのか?)
俺はため息を吐いて男子生徒に声を掛けた。
「おい…看板にどこに行けば良いのか書かれているだろ」
「え?」
小柄な男子生徒はぽかんと口を開ける。そいつのまるでボタンの掛け違いを指摘されたような惚けた顔に俺はその場で蹲りそうになる。我に返ったそいつは慌てて看板を確認する。
「あ‼︎本当だ‼︎」
(あのな…)
そいつは本当に看板が見えてなかったのか俺の言葉で看板の文字を確認した。

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