
クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜
第13章 カンドゥラ沖の戦い
ジェフリーとマリナが指示されたメディカルルームに入る
特にドアがロックされていたわけでもなく不用心に扉は開いた
薄暗かった室内はぼんやりとしたダウンライトが点いているだけだったが室内の動きに感知してなのか段階的に明るくなっていく
無機質な室内は衛生的にも思えるが工場のような冷酷さが感じられる
部屋の中央には3つの医療カプセルが並んでいた
そのうち一番手前のカプセルの上部カバーだけが開いている
ジェフリーがカプセル内部に顔を覗き込んでみると不思議な事にオーロラの匂いがしたように思った
イズミットの新設地下基地でのオーロラと過ごした夜を思い出した
“あのとき、同じ部屋で寝泊まりする事になったがやっぱり抱いちまったほうが良かったのかね? ……いやいや、手を出さなかったからこそ信用されたのだろうな……”
脳裏に無防備にシーツにくるまるオーロラの姿を思い出す
格闘家なようながっしりとした体格の女性だが、その隆々とした筋肉が淫らな曲線美を浮き出させていた
ジョー・ディビースによって鍛えられたオーロラの筋肉美はとても官能的な印象を植え付けてくれたのだ
軍に入ってジェフリーも幾人かの女性兵とベッドをともにした事がある
みな軍人なので髪はベリーショートだったり血気盛んな女性兵は丸坊主だったりもする
毎日の訓練をともにしているだけあって腹筋は割れ、硬かった
胸のふくらみこそあるものの街の女と違いふんわりとした乳房の柔らかさなど無く筋肉の塊のような乳房の者ばかりだった
尻も筋肉が張り詰め、後ろから掴んで貫くものの背中側から見下ろす姿は男と変わらないように思える
“きっとオーロラの身体も筋肉質なのだろうな”とジェフリーが思うものの興味を示すのは彼女の長い金髪が唯一女性らしさをアピールしている
“やっぱり抱いておけば良かった”
ジェフリーはカプセルの中の匂いに淫靡な刺激を受けざるを得なかった……
その次の瞬間!
マリナの悲鳴でジェフリーは現実に戻った
マリナが指差すふたつのカプセル
そこにはミイラのように干からびた人間の遺体が横たわっていたのだ!

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