クローン人間は同じ夢を見るのか 〜オルタナティブ・キイ〜
第13章 カンドゥラ沖の戦い(仮タイトル)
ジェフリーが驚きと虚しさを感じているとき、捕らえられたままのマリナ・アルテナも同じ事を考えていた
ジェフリーと同じく“モビルスーツ乗り”としてはあまりにも兵器としての運用の違いをまざまざと見せつけられたような気分にさせられてしまうのだ
マリナもモビルスーツ部隊で戦場に出る以上はチームで地道に作戦を遂行していくものだと思い込んでいた
航空機が全体の情報を集め、モビルスーツが突撃し、陸戦部隊が後続の兵站をつないでいく
そう、点と点を結んでいき線を作っていく
それが編成された部隊での役割分担だ
どれかひとつでも欠けてしまうと戦場で孤立してしまうものなのだから
マリナはこの決戦兵器のような兵器の運用を知らない
凄まじい火力を持って、強引に戦場を突き進んでいく兵器なぞ、出会ったことがないのだ
アルメニアの〈アンバー部隊〉のほとんどは壊滅状態、残存兵も死に物狂いで突撃してくるだろうが、圧倒的な兵器の差を埋めることは出来ないだろう
ましてやマリナ本人はこうしてコックピットシートに縛られ、何も出来ない
おのれの無力さ、
兵力の差、
殲滅させられた部隊の状況、
あまりにも一方的な戦況にマリナも虚しさだけが胸の奥に溜まっていくのを感じるのだ
〈おそらくアルメニア連邦軍はこのマシーンを前に太刀打ち出来ないだろう
でも………、
このコックピットに座る不気味な少女ひとりだけなら?
いま戦況を一変できるのは自分だけかもしれない……〉
マリナは黙ったまま存在感を消すように沈黙し続けているが、脳裏には一瞬のチャンスを狙っていた
〈今すぐでは無いかもしれない、
しかし何処かのタイミングで何らかのチャンスが生まれるかもしれない
その一瞬
その一瞬だけのために、今は耐えるしかない〉
今のマリナには目の前のモニターを見つめるだけしか出来なかった……
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