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シャイニーストッキング

第18章 ほつれるストッキング2          蒼井美冴と松下律子

 91 融ける夜(44)

 わたしは、りつこの目の色が変わったのを見逃さなかったーー

 そう、それは、りつこのわたしに対する嫉妬心…
 わたしを求め、カラダも心も委ね、すっかりりつこの抗いの力が抜けた瞬間…
 急に『天の邪鬼』な、ヒネくれた思いにわたしの心が揺れたのだ。

 本当は、ヤツのわがままな想い…
 それはこのりつこや、佐々木ゆかりさんの二人の心を思い、繋ぎ、留めるという、彼の贅沢で、わがままな思いの為。

 でもわたし自身が、このりつこの魅力、そう同じ『ストッキングラブ』という想いにシンパシー感じ取り、ヤツからの云々かんぬん…
 とかは関係なく、彼女自身に魅了されてしまい…
『りつこが欲しい…』という想いの衝動に駆られてしまったのだ。

 だけど、今、すっかりわたしに惹かれ、心を許し、過去のりつこ自身のトラウマであろう想いの翳と、本来の隠していたオンナのサガを、晒し始めてきたりつこの姿、目を見た瞬間に、これはわたし自身の隠れている本性の一つである…
『天の邪鬼』というヒネくれた思いが昂ぶり、顔を出してしまったのである。

 このまますんなり、りつこを求め、受け入れ、愛し、彼女を欲す…
 本来のわたしの想いと欲望、欲情を受け入れて、いや、受け入れたくはない。

 これはいつものわたしの、ヒネくれた、隠している本音、本性、本当の想いが…
 すっかりと油断してきたりつこの目を見た瞬間に、わたし自身の心に、そう囁いてきたのである。

 それにもう一つの想いーー
 それは昨晩、ヤツに云われた…
『本当は、美冴が一番愛しているんだ…』
 その言葉が、脳裏に浮かび、わたしの心を悪戯してきたのだった。

 この、すっかり油断しているりつこを…
 苛め、弄りたいーー

 だからわたしは…
『……でしょう、そうでしょう?
そうでしょう?…
 だってぇ、いつもぉ、わたしにもそうだったからぁ…』
 敢えて、そう言い…
 わたしは、りつこの心を刺激したのである。



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