シャイニーストッキング
第17章 ほつれるストッキング 1 佐々木ゆかり
98 ネコを被ったオンナ…
それに…
やっぱり間違いなく愛されているんだと、実感した。
浩一さんの心の中にしっかりと存在し、そしてわたし自身の心の中にも、はみ出る事なく存在していると十分に感じられたから…
だから、彼の誤魔化しは…
わたしを失いたくないが為の、必死の贖罪の表れなんだと。
「なんとかなった…って思ってるの?」
わたしは、見つめ、問う…
責めではない。
「いや、な、なんとかなんて…」
「ウソよ、なんとか誤魔化そうって必死にわたしを抱いていたくせに…」
「あ、いや…」
「…で、どうなの?」
「ど、どうって?」
わたしは、すっかり冷静になれていた…
いや、もしかしたら、あの黒歴史時代の昔の、オトコ達対して醒めた目で見ていた心境に戻っていたのかもしれなかった。
だって、本当に、この慌て、狼狽え気味な表情の浩一さんが…
憐れで間抜けで、滑稽にさえ思えてきていたから。
そして、さっきまでの揺れていたわたし自身が、逆に恥ずかしいくらいに、小さく感じられ、思えてもいた――
そう、わたしは、あの夜の六本木の世界で崇め奉られていた、天下無双といわれた『姫』だったのだから…
今のわたしは、ネコを被ったオンナに過ぎないのだから。
「…ふ、だから、誤魔化せたのって?」
「あ……い、いや、ご、誤魔化す…なんて…」
ホント、彼は、嘘が下手…
目が揺らぎ、泳いでいる…
だけど…
だからこそ、わたしは、彼、浩一さんを愛している。
こんな嘘のつけない、馬鹿正直なオトコは、今までわたしの周りには、一人としていなかったから…
周りにいたオトコ達は、皆、欲望を嘘で隠していたオトコ達しかいなかったから。
「あっ」
「え…」
あ、だからなのか…
だからわたしは、急に『どうでもいい』なんて思えたのか――
「うん」
「……」
「ま、いいわ…」
「え…」
「だからぁ、誤魔化せたことにしてあげる」
「えっ」
戸惑いに、目が泳ぐ。
それは、そうだろう、意味は分からないはずだ…
だって今夜の浩一さんは、わたしに松下秘書との事を追及され、下手すればもっと荒れた修羅場さえ想定し、焦燥し、憔悴していた筈なのだから。
それが…
「ふ、いいわ、もういいのよ…」
戸惑うしかないはずなのである。
それに…
やっぱり間違いなく愛されているんだと、実感した。
浩一さんの心の中にしっかりと存在し、そしてわたし自身の心の中にも、はみ出る事なく存在していると十分に感じられたから…
だから、彼の誤魔化しは…
わたしを失いたくないが為の、必死の贖罪の表れなんだと。
「なんとかなった…って思ってるの?」
わたしは、見つめ、問う…
責めではない。
「いや、な、なんとかなんて…」
「ウソよ、なんとか誤魔化そうって必死にわたしを抱いていたくせに…」
「あ、いや…」
「…で、どうなの?」
「ど、どうって?」
わたしは、すっかり冷静になれていた…
いや、もしかしたら、あの黒歴史時代の昔の、オトコ達対して醒めた目で見ていた心境に戻っていたのかもしれなかった。
だって、本当に、この慌て、狼狽え気味な表情の浩一さんが…
憐れで間抜けで、滑稽にさえ思えてきていたから。
そして、さっきまでの揺れていたわたし自身が、逆に恥ずかしいくらいに、小さく感じられ、思えてもいた――
そう、わたしは、あの夜の六本木の世界で崇め奉られていた、天下無双といわれた『姫』だったのだから…
今のわたしは、ネコを被ったオンナに過ぎないのだから。
「…ふ、だから、誤魔化せたのって?」
「あ……い、いや、ご、誤魔化す…なんて…」
ホント、彼は、嘘が下手…
目が揺らぎ、泳いでいる…
だけど…
だからこそ、わたしは、彼、浩一さんを愛している。
こんな嘘のつけない、馬鹿正直なオトコは、今までわたしの周りには、一人としていなかったから…
周りにいたオトコ達は、皆、欲望を嘘で隠していたオトコ達しかいなかったから。
「あっ」
「え…」
あ、だからなのか…
だからわたしは、急に『どうでもいい』なんて思えたのか――
「うん」
「……」
「ま、いいわ…」
「え…」
「だからぁ、誤魔化せたことにしてあげる」
「えっ」
戸惑いに、目が泳ぐ。
それは、そうだろう、意味は分からないはずだ…
だって今夜の浩一さんは、わたしに松下秘書との事を追及され、下手すればもっと荒れた修羅場さえ想定し、焦燥し、憔悴していた筈なのだから。
それが…
「ふ、いいわ、もういいのよ…」
戸惑うしかないはずなのである。
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