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シャイニーストッキング

第17章 ほつれるストッキング 1         佐々木ゆかり

 97 どうでもいい…

 浩一さんに抱かれ、想い、感じたことは…
『そんな事、どうでもいい…』だった。

 そう、どうでもいい……んだ。

 なんか、こんな事で…
 たかが、秘書との…
 そう、世間ではよくある下衆な話題――

 それは『上司と秘書』の関係…
 小説…
 テレビドラマ…
 映画…
 はたまたアダルトビデオ…
 等々では、巷に呆れ返るほどに溢れる、安っぽく、下衆で、下卑的なありふれたタイトルだから。

 誰だって、あんな美人で魅力的なストッキング脚の部下、秘書がいたならば、我慢なんか出来ずに手を出してしまうはず…
 いや、我慢できるようなオトコだったら、きっとわたしは彼、浩一さんに惹かれ、魅かれ、好きに、愛するはずがない。

 それに、彼自身も、わたしが愛するくらいの魅力溢れるオトコであるから…
 逆に、松下秘書だって、惹かれたに違いない訳であるから。

 それに…
 こんな浮気ぐらいで…
 わたしと浩一さんの二年間の積み重ねが、そう簡単に、無くなるはずがないんだ。

 だから、松下秘書との疑惑が、本当だろうが、嘘だろうが、どうでもいい事であり…
 本当に、小さい事なのである。

 小さい、小さな、世間ではよくある、下衆な関係…
 それを騒ぐオンナは、間抜けな、負けであるのだ。
 
 だって、わたしと彼との二年間は…
 そして今も…
 いや明日から、その先も、これからも…
 こんなくだらない、オトコとオンナの些細な浮気心なんて問題にもならないくらいの…
 とても大きく、輝ける未来が開けているのだから。
 
 それに浮気は、オトコの、いや、できるオトコの証明であり、証であり、勲章だから…
 そんな些細な事に、揺れているわたし自身が恥ずかしい…
 なんてことのない、小さな出来事の一つに過ぎないのだから。
 
 だから…
 取るに足らない小さな事なんだ。

 そう思った途端、急に自分が恥ずかしくなってしまったのである…
 そう、たかが、浮気――

 それに、自分を顧みれば…
 いや、あの『黒歴史』と自分自身で卑下している過去を思い返せば…
 そして、美冴さんや、敦子との事を考えれば…
 浩一さんと松下秘書との疑惑なんて、足元にも及ばないくらいの、ほんの些細な問題なのだから。

 急に、自分自身が、馬鹿らしく感じてしまってきたのである――


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