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ほしとたいようの診察室

第10章 陽はまた昇る



今日も、午後3時。
とうとう食堂がクローズする時間になっても陽太先生は現れなかった。

メッセージアプリにわたしから残したメッセージも、未読のまま。
次の休みはいつなのか、尋ねたところで止まっていた。




『まあ、休みなんてあって無いようなもんだからさ』


と、以前、病院の連絡用スマートフォンを常時携帯している陽太先生は、祈るようにそれを見つめながら話していた。

せめて、2人でいるときに連絡が来ませんように……。

声には出さないけれど、わたしは心の隅で思っていた。陽太先生も、そうだと思う。

手放しで遊べるような日は少なかったので、お互いの家を行ったり来たりするようなデートが多かった。

そもそも最初のデート(と言っていいのか?)で、家でからあげを作った時から、お互いの家に行くことは抵抗がなくなっていた。

それに陽太先生の呼び出しがあっても、すぐに出勤できる。


けたたましく病院用スマートフォンが鳴ったとき。
『いってらっしゃい』と、玄関で送り出すとき。

……物分かりのいい彼女を演じなくてはならない。


毎回、『ごめんね、のんちゃん』と頭を撫でて、急いで病院に向かう陽太先生はかっこよかったが、残されたこちらとしては、空っぽになる家が、余計に心苦しかったし、寂しくないと言えば嘘になる。


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