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第6章 約束の日


チカが働き始めて、一年。
あたしはあたしで、数時間だけスーパーでアルバイトを始めた。
ちゃんと一日って思わなくもないけど…
やっぱり、朝はちゃんとチカを送り出したいし、帰りも"お帰り"ってお出迎えしたいから♪

だから11時から15時までのたった4時間だけのバイト。

それでも初めてのバイトで。
小さなスーパーだけど、おばちゃんたちも優しくておじちゃんたちも面白くて、楽しい♪

『チエちゃんそろそろ上がりな?』って、レジに立つあたしと代わってくれるおばちゃんに『ありがとうございます♪』って交代してもらった。

「お疲れ様でした、お先に失礼します」

『お疲れ様♪…気を付けて帰りな?』

「はい♪」

裏で店のエプロンを外して鞄を手に裏口から出た。
ここでバイトする事にしたのはマンションから近いから。
後は、帰りに買い物も出来るって思ったんだ。

マンションに着いて夕飯を何にしようか悩む。
米をとぎながら…
そろそろカレーライスでもしようかな♪

カレーを煮込んでる時、そろそろチカが帰って来る時間だって気付いてお風呂にお湯を溜めた。

鍋を混ぜながら、まだかなぁ…なんて思ってたら、携帯が鳴って…

「…はい♪」

智翔『チエ?』

「どうしたの?何かあった?」

智翔『いや何もねぇよ(笑)…あのさ、ちょっと出てきて?』

「え?何処に?」

智翔『…歩道橋。…待ってっから』

「え?ちょっ……チ、カ?歩道橋、って…何よ…」

暫く画面を見つめて、待ってるって切られたら行かない訳にいかないし。
鍋の火を止めて、携帯と鍵だけ持って部屋を出た。

スーパーの反対方向に歩いて、結構な距離。

見えてきた歩道橋。
階段を上がる頃にはちょっと息切れしてて、そんな自分に笑っちゃう。

真ん中辺りまで来たけど、チカは居なくて。

下には帰宅時間帯なのか車が行き来してる。

そう言えば…
ここから、飛び降りようとしてたっけ…

思い出して胸の奥が少しだけキュッと締め付けられた。
でももう今じゃ遠い記憶で。
幸せが溢れてる今はもう、平気。

智翔「…チエ」

「……チカ♪」

智翔「あ、そこに居て?」

「え?」

歩道橋の端に立つあたしの向こう端に立つ、チカ。
優しい顔してる。

智翔「フフ(笑)…チエには、辛い場所?」

「…今は平気♪」

チカに聞かれて、首を振った。

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