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第2章 新世界


一時間程居ただろうか。

チカは立ち上がると、『…行こ?』ってあたしの手を取った。

翔「…じゃ、後でな?」

智翔「おぅ♪後で♪」

チカに連れられ部屋を出たら、黒い車が停まってる。
傍に一人の男の人がチカに気付いて頭を下げた。

来た時みたいに手を繋ぐチカ。

男の人は車のドアを開けて『お疲れ様です』と再び頭を下げる。

智翔「ありがと」

侑「…いえ。…マンションでいいですか?」

智翔「あぁ♪」

侑「…チエさんも、どうぞ?」

「え……何で…名前…」

侑「フフ(笑)…チカさんの大切な人だと聞いてます。僕はチカさんの運転手をしてます、侑と言います。よろしくお願いします♪」

凄く幼顔に見えるけど…
ってか…
運転手って。

乗るのを待ってくれてるから慌てて乗ったら、チカはクスッと笑った。

「…あの、さ……チカ、って…偉い人、なの?」

智翔「んー?偉くなんかねぇよ(笑)」

侑「何言ってんですか。…チーム纏める長のくせに、直ぐそうやって謙遜するんですから(笑)」

「…チー、ム?…って?」

侑「フフ(笑)…僕たち…」

智翔「侑」

また、チカの低い声。
遮られた侑くんは『すいません』と頭を下げて車を走らせた。
チカに視線を向けても、目を閉じたまま。
もうそれ以上聞けなかった。

暫く走って着いた場所は、高さはないけど、兎に角高級そうなマンションの前。
また侑くんがドアを開けてくれる。

繋いだ手を引かれて…

『また後でお迎えに来ます』と侑くんが頭を下げて、『ありがと』ってチカは笑った。

慣れた様にマンションに入る彼。

一言も話さないチカの雰囲気は、さっきまでの楽しそうだった物とは全然違って、あたしは無意識に繋いだ手に力を入れていた。

部屋に入ると…やっぱり高級な部屋。
だけど…
物凄く広い訳じゃない部屋は、物が殆んどなくて、テレビとソファとテーブル。
テレビの横に小さめのコレクションボードがあるだけ。

智翔「…座ってな?」

頭を撫でて笑うチカ。
キッチンと思われる方へ向かう。

数分で、コーヒーのいい匂いが届いた。

ジッと座ってたあたしに、ちょっとだけ笑ってカップを差し出す。

「…ありが、と」

智翔「フフ(笑)いいえ♪」

「…あの、さ…聞いても、いい?」

智翔「んー?」

「…高校生…なんだよね?」

智翔「一応な(笑)」

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