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第5章 帰るべき場所


あの日、俺の肩の墨を見つけたチエ。

翔『やめとけって説得したんだぞ?…けどさ…お前が入れた所連れてけの一点張りで。…教えないなら、またご飯食べないから!ってさ』

「フハッ(笑)!」

結局教えざるを得なくなったショウ。
一週間掛けて墨を入れたらしい。

翔『何入れたかは見てねぇから、知らねぇよ?…あ、後な?チエちゃんが"帰って来るまでは会わない"ってよ』

「…」

翔『一度でも会っちまったら、せっかく我慢してるのに出来なくなるって(笑)』

「ははは(笑)…んじゃ俺も我慢するわ♪帰ったら、覚悟しとけっつっといて?」

翔『フハッ(笑)…マジで、良かったよ、チエちゃんが笑える様んなって♪』

「…悪いな?」

頭を下げれば笑うショウ。
今は部品工場で働いてるらしいショウ。
他の奴らも、仕事に就いた奴も居れば改めて学校に通い直す奴も居るらしい。


残り半年。
長い…
マジで…
早く会いてぇよ、チエ。

看守「…ほら。預かった物だ」

「ありがとうございます」

看守「悪いが、今目の前で開けてくれ。危険物だとマズい」

言われて、俺は翔の届けてくれたチエからの誕生日プレゼントを開けた。
こんな廊下で…とも思ったけど。

看守「……ドッグ、タグ?」

「…フッ♪」

プレートに刻まれた、チエの名前。
写真が入ってて。
貰ったそれと、もう一つが写った写真だった。
よく見れば、俺の名前が刻まれたプレートで。

持ってる手が、チエの綺麗な手。

それがチエの手だと気付いたのは、指輪が見えたから。

看守「…箱、預かっておく。…中身は持ってていい」

「ありがとうございます」

看守「……後半年。我慢しろ」

物凄く小さな声でそう言った看守。
視線を向ければ無表情で。
『…はい』と返しはしたものの、こんな事を看守は言ってくれるもんなんだろうか。

看守「まぁ。お前は大事な恋人が待ってるだろうから、心配はないだろうけどな?」

「…」

看守「フッ(笑)…健気な彼女じゃないか(笑)」

看守が、笑った。
今までこんな表情見せた事なかったから、驚いた。

看守「余計な話をした。…行くぞ」

「…はい」

看守「この事は言うなよ?」

「フッ(笑)…はい(笑)」

思わず笑ってしまった。

看守の耳がほんの少し、赤くなってたから(笑)

部屋に戻り、ドッグタグを指で撫でた。

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