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第5章 帰るべき場所


婆ちゃんが大好きだったらしいチエ。
小学生の頃に亡くなったと言った。
婆ちゃんの遺品を片付けてた親族が見つけたらしいこのペンダントは、爺ちゃんに初めてプレゼントされた物だと聞いたチエ。
唯一、チエに優しかった叔母さんが一人居て、そのペンダントが欲しいと泣きながら頼み込んだらしい。

「…ずっと大事な宝物だったんだって。…何かあっても、俺がこれを持ってたら自分を思い出して絶対帰って来てくれるだろうからって、チエがくれたんだよ」

美奈『健気な……もうっ!本当あんた馬鹿だわっ!』

「…だな(笑)……これ渡して?…絶対帰るからって。約束するから、ちゃんと飯食えって言っといて?」

美奈『…分かったよ。言っとく。…ちゃんとあんたも真面目に過ごしなよ?』

部屋を出る時、看守に姉貴に渡すよう頼んだ。

「…お願いします」

看守「あぁ。…お前は…いや、いい戻りなさい」

何かを言い掛けた看守を不思議に思いながら、俺は部屋に戻された。


中での生活は、朝早く起床して。
朝飯が運ばれ食う。
食ったら部屋の掃除をして。
仕事に出る。
列をなして歩き、作業場に。
淡々と作業をして、昼飯を食ったらまた午後からの作業。
終われば部屋に戻されて。
風呂は順番に呼ばれて入る。
何人もの交代だから、デカい風呂場にギュウギュウ詰め状態。
それでも入れないよりはマシだった。


翔が再び面会に来たのは、ここに入って半年経った頃。

翔『よぉ♪…何かお前、デカくなった?』

「フッ(笑)…暇だから部屋で筋トレしてるからな(笑)」

翔『あぁそうだ。これ、預かってきた♪』

「…ん?」

翔『誕生日、とっくに過ぎちゃったって落ち込んででさ(笑)……プレゼント、届けるよ?っつったんだ♪』

「プレゼント?」

翔『俺も中身は知らねぇんだ(笑)…あ、後さ(笑)』

やたら楽しそうなショウを見て、チエがすっかり元気になったと知る。

翔『…何だよ』

笑ったら睨まれた。

「お前が楽しそうって事は、チエが元気って事なんだろ?」

翔『フッ(笑)あぁ。今じゃカレンダーに印付けて待ってるんだってよ♪』

「フッ♪…で?」

翔『あー…何だっけ?…あ、そうそう!…チエちゃん、墨入れたよ(笑)』

「はぁ!?」

『お前とおんなじ場所♪』って笑う翔。
何処までも楽しそうなこいつ。

俺と同じ場所に、墨?

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