
Restart
第5章 帰るべき場所
警察で事情聴取を受け。
全て素直に正直に話した。
「…ごめん……親父」
父「…フゥ…お前を好きにさせたのは、俺だ。…若いうちは好きな様に、何かに夢中になれるならと思ってた」
「…」
父「チカ」
「はい」
父「すまんな?…ちゃんとこうなる前に…チエちゃんを大切にしろと、伝えるべきだった」
「…ック…」
父「年少に、一年だそうだ」
「…ッフゥ…はい」
父「チエちゃんはお前が帰って来るまで、ちゃんと守るよ」
「…ハァ…はい。お願い、します」
留置所に面会に来た親父は、『すまんな』と深く頭を下げた。
俺は堪えきれずに泣いた。
「…チエを…お願い、します」
父「あぁ。待ってるから」
優しい親父の声が、俺には苦しかった。
頭を深く深く下げる。
顔を上げたら、声同様に優しい顔してた。
いつだって、自由にさせてくれてきた親父とお袋。
これまで感謝はしてきてた。
だからせめて、警察にだけは…と。
今回だけは、謝っても謝りきれなくて。
出て行く親父の背中に『ごめんなさい』と、また深く頭を下げた。
やっぱり優しく微笑んだ親父に、涙が止まらなかった。
少年刑務所。
周りは俺の様な暴走行為や暴行で捕まった連中や、窃盗容疑で捕まった奴らが居る。
『よぉ新人♪』
声を無視する俺に、血の気の多い奴は手を上げようとした。
俺はどんなに嗤われても、どんな仕打ちを受けても。
指に嵌めた指輪を撫でてひたすらに耐える。
ここに来てから一週間。
ショウが面会に来た。
翔『よぉ♪…元気か?』
「あぁ(笑)お陰さんで(笑)」
翔『チーム解散したよ』
「悪いな?」
翔『馬鹿な男だ(笑)…何も一人で被る事なかっただろうが』
「フッ(笑)…お前まで入ったら誰がチエの事報告してくれんだよ(笑)」
翔『あはは(笑)結局チエちゃんかよ(笑)』
『当たり前だ(笑)』と笑う。
分厚いガラスの向こうの翔は、泣きそうな顔を無理矢理笑顔にしてた。
「…チエ、どうしてる?」
翔『…』
「ショウ?」
翔『……昨日…入院した』
心臓が、止まり掛けた。
いや、きっと止まった。
バクバクする俺にショウは申し訳なさそうに俯いた。
翔『飯……食えなくてさ。……倒れたらしい』
「ッ!!…大丈夫なのか?」
翔『あぁ。毎日点滴してる。……ただ…』
ショウは拳を握った。

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