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第5章 帰るべき場所


父「チカ」

姉貴が落ち着いたらしく、ポツポツチエに話し掛けながら時々頭を撫でたりしてた時、親父に呼ばれた。

「ん?」

父「…ちゃんと、考えて行動してんのか?」

「…」

父「大事にしてるのは見てて分かった。だから余計な事かもしれんが。…先の事も考えて行動しなさい」

「考えてる。…何かあってもちゃんとする覚悟は出来てる」

父「そうか。余計なお世話だったか(笑)」

「いや」

母「フフ♪…チエちゃん?…何か困った事あったらいつでも言いな?チカに手上げられた、とかね(笑)」

知恵「そんな事っ!…チカは優しいです。絶対そんな事したりしないです」

必死なチエに、一瞬三人がポカンとした。
直ぐに姉貴に抱き締められ『フフ(笑)冗談よ、ごめんね(笑)?』とお袋が苦笑いした。
赤くなって『ご、ごめんなさい』って俯くチエ。

美奈「あんた。この子傷付けたらあたしたちが許さないからね」

「当たり前だ。…命掛けてんだ、こっちは」

俺の真剣な声にチエが手を伸ばすから、掴み引き寄せ抱き締めた。

「…自分から捨てようとしたんだ、こいつ。俺はそれを預かった。だから何が何でも守んなきゃなんねぇ」

腕の中で、隠れる様に泣いてる。
頭を撫でて顔を覗き『…話していいか?』って声を掛ければ小さく頷いた。

親父たちに、チエのこれまでを全部…全て包み隠さず話した。

美奈「酷い…何それ…」

母「今お母さんは?」

「一人で暮らしてる」

母「チエちゃん?お母さんに会いに行ってるの?」

首を振ったのは、あれから本当に連絡も何もないからで。
一緒に飯でも食おうって言ったのはお袋さんの方だった。
あんなに泣きながら謝罪を口にしてたのに…
そう思いながらも、チエが何かを言う事がないから、俺も様子を見てた。

知恵「…母さん、は…もう…いいです」

ボソッと呟いたチエに視線を向ければ、泣いてたチエの顔が無表情で。
呼べば俺を見つめて『…チカが、居ればいい』と言う。

知恵「母さんは。やっぱり、あたしなんてどうでもいいんです」

母「自分の子供がどうでもいいなんて訳ないでしょ」

お袋の怒りの隠った声に、怯む事なく自嘲した。

知恵「フフ(笑)…あの人は、母じゃない。……女なんですよ(笑)」

「チエ?」

知恵「ごめんね?黙ってて。母さんがね?…『連絡して来ないでね?』って言ってた」

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