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第4章 偏愛


翔母「ごめんごめん、辛いね?…今先生来るから」

チエの額に手を当てて、優し気に微笑むと頭を撫でて離れていった翔のお袋。

ジッと視線を向けてくるチエ。

あんまり喋りたくないんだろう。
ツンツンと服の裾を引っ張ってる。

「…ショウのお袋だ。……餓鬼の頃から知ってる」

知恵「幼馴染み…ゲホッ…とか?…ゴホッ…」

「あぁ。言ってなかったか?」

頷いたチエに、そう言やぁそんな話した事なかったなぁ…と改めて気付く。

家が近所だった俺たち。
保育園に入って直ぐ、お袋と翔のお袋が仲良くなった事で、必然と俺たちも一緒に遊ぶ様になった。
それからはずっと、同じ学校で。

「…遊ぶのも、悪い事すんのも一緒だったんだ(笑)」

隣で『フフフ♪』と笑うチエの頭を撫でた。

また呼ばれて診察室に入れば、白衣を着た女。

医師「増山さん?」

知恵「…はぃ……ゴホッ…ゴホッ…」

医師「辛そうね…ちょっとごめんね?」

聴診器を当てようとする医者。
少し体を逃げる様に引いた。

医師「…大丈夫よ?ちょっと胸の音聞くだけ」

優しい声にチエはTシャツを捲ろうとするのを止めた医者が『そのままでいいよ?』と手を押さえた。

医師「………んー…レントゲン、は…歩くの辛いよね……大丈夫だとは思うから様子見ようか。…ちょっと喉見せてね?……あーって、声出せる?」

知恵「…あー…ゴホッ…ゲホッ…」

医師「ごめんごめん…ん、いいよいいよ、口だけ開けて?………あらぁ…真っ赤だわ…」

キーボードを打つ医者が『…もうちょっと遅かったら肺炎になってたよ?』と呟いた。

医師「熱もあるし辛いだろうから、点滴して帰ろっか?」

知恵「…点滴……ゲホッ…ゲホッ」

医師「…櫻野さん?ソリタT3用意して?…えっとね、旦那さん?お薬出しておきますから。喉の痛みと咳を止めるお薬ね?」

「はい」

医師「それと、一応解熱剤も出しておきますね?高くて辛い時に飲ませてあげて?…あ、妊娠はしてないよね?」

「はい、まだ大丈夫です。」

医師「そう。妊娠してるとお薬気を付けなきゃいけないからね?」

「大丈夫です。ありがとうございます」

俯いたチエの耳が赤くなってて。
翔のお袋が笑って頭を撫でてた。

ベッドに横になったチエ。

翔母「フフ♪…じゃあ点滴するよ?……針刺すからね?」

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