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第4章 偏愛


それから数週間後。

知恵「…」

「おはよ♪……どした?朝から元気ねぇけど」

知恵「…」

「チエ?」

知恵「……生理、来た」

あまりにもどす黒い雰囲気のチエ。
思わず吹き出した俺。

「ははは(笑)!…そんなショックか(笑)?」

知恵「……だって…」

「フハッ(笑)…良いじゃねぇか♪これで思いっきりセックス出来んだぞ?」

知恵「…え?」

「フフ(笑)妊娠したら落ち着くまでは安静にしなきゃなんねぇんだってよ。セックス出来ねぇじゃん」

頭を撫でたら『…そう、なの?』って少しだけ声が明るくなった。
抱き締めたら、抱き付いて。

知恵「……何で、知ってんの?」

「フハッ(笑)…チームの奴の姉貴が言ってたんだってよ(笑)」

知恵「………チカ…経験あんのかと、思った…」

「馬ぁ鹿(笑)…ある訳ねぇだろ(笑)」

『今まで生でヤった事なんかねぇよ(笑)』って笑う。
ヤるだけの女に孕まれたなんて、冗談じゃねぇ。

吃驚した顔するチエがジッと見つめて来るからキスしてやった。

知恵「あたし…と、だけ?」

「そうだよ(笑)…別に出来りゃ出来たで何とでもするつもりだからな♪」

抱き付かれたから『…腹減ったって(笑)』って笑ってやった。



何の心配もなくなったお袋さんとチエ。

だから、チエを連れてお袋さんのアパートへ向かった。

増山「…チエ…」

知恵「……久し、振り…」

増山「チエっ!…ごめん、ねぇ…チエ…ごめん…ずっと、辛かった、よね…ごめん…」

抱き締められたチエが、どうしていいか分からず棒立ちしてた。


お袋さんに、これまでの事を全部話したチエ。
泣く事はなかった。

知恵「あたしは、ずっと一人だったよ。家の中でも、学校でも」

増山「ごめんなさい…」

知恵「…学校。ずっと行ってない。もうきっと退学にされてると思う。ごめん」

増山「んーん…私の所為だから…ごめんね?チエ…」

知恵「あたしさ。…この先、チカと、一緒に生きてくって、決めたの」

増山「うん」

知恵「…ごめんね?こんな娘で。でも…今、あの頃よりずっとずっと…毎日幸せだから。心配しないで?」

増山「…フゥ…良かっ、た…それなら」

泣きながらもチエの話に少し笑ったお袋さん。
チエもまた、幸せだと言いながら小さく笑ってた。

話してる間、ずっと俺の手を握ってたチエ。

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