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第3章 一歩前進


その子は怯えはするものの、他の人程じゃない様だってチカが言った。

「…そっ、か……あたし、会えない?」

智翔「…」

「何とか、してあげたい…」

智翔「フフ(笑)…行ってみるか?」

「うん。もし酷くなりそうなら、直ぐ帰るから」

頭を撫でてくれたチカ。
こんなあたしなのに、チームの皆は受け入れてくれたから。
少しでも何か出来る事がしたい。

何より、チカをいつも支えてくれてる人たちだから。


夕方、チカに連れて行ってもらった彼女さんの部屋。
アパートの部屋に入れてもらったら、あたしたちに気付いて少しだけ怯えて震えてた。

涼太「…すいません…まだ全然、落ち着かなくて…」

「…仕方ないよね…まだ何日も経ってないもん」

少しだけ近付いてみる。
ガタガタ震える彼女さん。
そっと一度だけ頭を撫でてみた。
『…ごめん、なさい…』と小さな声。

「大丈夫。謝らないで?怖かったよね?もう大丈夫だよ?」

震えてはいたけど、泣く事はなくて涼太くんがホッとしてた。

そのまま直ぐに帰ってきたあたしたち。
車の中で、チカが肩をキュッと抱き寄せてくれた。


それから、あたしは何日か置きに彼女さんに会いに行った。
1ヶ月経った頃、少しずつ笑ってくれる様になった。

倉庫へはチカが行く時、殆んど毎回一緒に行ってて。
レディースの皆と仲良くなったあたしは、いつもトランプしたりボードゲームしたりして遊んでる。

そんなある日。

離れた場所でざわつく声がする。
視線を向けたら、人集りが出来てて。
チカの方を見たけど、気付いてなさそう。

立ち上がり近付くあたしを綾香さんが止めた。

だけど、大丈夫って笑って歩き出した。

「…どうしたの?」

『離せぇ!!…チエってヤツ出せよっ!!』

あの日、綾香さんにボコボコにされてチカにビンタされた子。

あたしに気付いたその人は睨み付け飛び掛かろうとする。

『てめぇの所為だっ!!てめぇがここに来なきゃあたしは追い出される事なんかなかったんだっ!!』

後ろから歩いてきたのは綾香さん。

思いっきりビンタした。

綾香「まだ分かんねぇのか。てめぇがありもしねぇ事言いふらしたんだろ。身から出た錆なんだ、よっ!!」

物凄い勢いで蹴り飛ばされた女の人。
周りの男の人たちが押さえ付けてる。

「…ねぇ。…嘘だったの?」

屈み込むあたし。

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