Restart
第1章 終わり…
翌日、歩道橋を通った。
昨夜のそことはまるで違う雰囲気。
たくさんの人が行き交う歩道橋の上と、下にはたくさんの車が絶え間なく行き交う車。
高校二年になったばかりのあたしは、進級してから一度も学校へは行ってない。
毎朝、制服を着て。
『…行ってきます』って声を掛けても、返事がないのは昔から。
両親は共働きで、頭の良い兄ばかりに愛情を注いでるから。
家の中でのあたしは、きっと存在すらしてない様なものなんだろう。
それに気付いたのは中学に入る少し前。
歩道橋の上からボーッと眺めるあたしの背後には、世話しなく人が行き交ってる。
何処で、時間潰そ…
夜になるまで、家に帰っても仕方ない。
誰も居ない家なら時間も潰せるだろうけど…
智翔「…あ。…昨夜の、自殺の子(笑)」
そんな声がして振り向けば、行き交う人波の隙間に、昨夜の彼を見た。
気付かなかったけど…
朝の日差しを浴びてる彼の顔がハッキリ見えて、実は…かなり綺麗な顔立ちだと知った。
楽しそうに笑って人波を縫う様に近付いてくる彼。
智翔「…おはよ♪…昨夜、飛び降りんの諦めたんだ(笑)?」
「…」
智翔「…フッ(笑)……なぁ?…ちょっと俺に付き合ってよ♪」
「…は?」
智翔「…良いじゃん、ほら♪…行こ♪」
何故かは分かんないけど、彼はやっぱり楽しそうで。
あたしの手を取り歩き出した。
少し踏ん張って、『…ちょっとっ』と足を止めるあたしに、彼は振り向き『…何(笑)?』って首を傾げる。
「…何?じゃないよ…あたし、行かない…用、あるし」
智翔「……どうせ夜になんの待ってるだけだろ?…それまでの間だけだって。ほら…」
グィッと再び手を引かれた。
思いの外力強い彼。
抗うのも面倒になって、仕方なく付いて行くあたし。
暫く歩き続け…
「……カラオ、ケ?」
智翔「…そ(笑)」
何故?
聞く間もなく、彼は店内へ入り受け付けを済ませた。
一番狭いだろうと思われる部屋は、店の一番奥。
平日の所為か、お客さんは本当に少なそう。
智翔「…座んなよ。突っ立ってないで(笑)」
「……何で…ここ?」
智翔「…んー?…俺さ…友達居ねぇんだ(笑)一人で来んの、ちょっと恥いじゃん///(笑)」
照れ臭そうに笑って、彼の隣をポンポンと叩く。
今更、行く所なんかないし…
あたしは素直に座った。
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