テキストサイズ

Restart

第3章 一歩前進


怖かったんだ…
もうチカと過ごす時間が長くなってるから…
一人での過ごし方なんて、分かんなくて。
また前みたいに、一人になっちゃうかもしれないって…
そんな思いがどんどん膨らんで、怖くて仕方なくなったんだ…

腕の中で泣きじゃくりながらそんな事を話した。
伝えられたと、思う。
もしかしたら何言ってるか分かんなかったかもしれないけど。

智翔「大丈夫。もう絶対一人にしねぇっつったろ?」

「…ん」

智翔「ちゃんと帰って来る。心配ねぇよ」

「…ん…チカ…」

智翔「んー?」

「…あたし……チ、カ…好き、なんだ…一人になって…分かった、の…もう、あたし、チカ…居ない、と、無理…」

ギューッと抱き締める腕に力が入った。
苦しいくらいのそれ。

ふわっと、抱き上げられたあたしが、優しく下ろされたのは、ベッドの上。

離れたチカが真っ直ぐ見下ろす。

智翔「チエ。…抱きてぇ…」

真剣な瞳だった。
でも、何処か迷ってる様な…
伺ってる様な…

「……怖く…ない?」

智翔「ん?」

「…あたし…経験、ない、から……怖くない?」

智翔「フフ♪怖くねぇよ♪…最高に気持ち良い思いさせてやるから♪」

「…で、も……痛い、って…聞いた、事、あるよ?」

智翔「初めだけな?…嫌なら、しない」

「嫌、じゃない、の。ちょっと…怖い、だけ…」

恥ずかしさも、もちろんある。
だけど…
チカの表情が凄く…
いつもの強くて優しい彼じゃないから。

ゆっくり手を伸ばして、チカの頰に添えた。

何だか分かんないけど、少しずつ視界が滲んでく。

智翔「ごめんチエ…泣くなよ…何もしねぇから」

「んーん…違う……そうじゃ、ない…何でか、分かんない……でもね?…嫌じゃ、ないんだよ?…たぶん、ね?チカに…愛されたいの…あたし、だけだって…言って、ほしいんだ」

頰を伝う涙を優しく拭ってくれたチカが、見た事ないくらい優しい顔して微笑んでる。

だから。

両腕をチカの首に巻き付けた。
引き寄せて、あたしから…
唇を重ねると、死ぬほど温かくて。

智翔「フハッ♪…マジで可愛い♪お前、最高だわ♪」

見た事ないくらいに、嬉しそうに笑った。

ゆっくり重なったチカとあたしの唇。
触れるだけだったそれが、前に倉庫で皆の前でした様なキスに変わる。

あの時以来のキス。

ドキドキが、ふわふわに変わった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ