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第13章 【番外編】ある日の話


乾いた笑いを溢すショウ。
ムカついてるってのは見て分かる。
その表情の奥に、寂しさが垣間見えて…

翔「まぁ、いいや(笑)…俺なんかに言えねぇよな?直ぐヤッちまうし(笑)」

「……手…出してみろよ。殺すからな」

翔「フハッ(笑)…何処の誰かも知らねぇのに、手出せるか(笑)……まぁ簡単に見つけ出すけど(笑)」

「てめぇ…マジで殺すぞ」

翔「だったら何で最初っから言わねぇんだよっ!てめぇがマジんなったって誰が嗤うかよっ!…なめんなよっ!」

ショウの胸ぐらを掴んで言った俺に、こいつは何とも言えない顔して拳を振り上げた。
ショウに殴られたのは、初めてだった。
当然、俺がこいつを殴った事もねぇ。

ワラワラと集まってきた奴らを構う事なく俺を睨み付けるショウが、再び俺の胸ぐらを掴んだ。

「…悪かった…」

翔「…」

「……マジで。…悪かったよ」

翔「…」

「何でも、話してきた仲だから…余計…照れ臭かった」

翔「……馬鹿が」

「…ごめんショウ」

頭を下げた俺の肩をパンパン叩き笑う。
『悪かったな?殴って』って呟いた。

翔「ちゃんと話しとかねぇと…何かあったって守ってやれねぇだろ」

「…あぁ」

翔「馬鹿が」

「…あぁ」

隠された悔しさと、何かあった時に守ってやれねぇって心配。
翔は本当にマジでいい奴だ。


そんな喧嘩…とは言えねぇかもしんねぇけど。
それがあった翌日、チームの奴の事でショウに呼び出された。
朝こっ早くだった所為で歩道橋に行けず…

苛ついてた俺。

聞けば単に仲間うちの喧嘩…だったと思ってた。
だけどよくよく話を聞くと、他所チームと揉めた事が発端らしい。

イライラしてる所為で、必要以上に揉めてた奴らをボコボコにしてた。

翔「おいっチカっ…もうやめてやれ…」

「…ハァ…ハァ…馬鹿どもが」

止められ宥められ。
溜め息が出たのは、自分本意過ぎたから。

それでも、仲間に手を上げずに済んだ事は褒めてもらいたい。

片付けて収まった頃、とっくに日付が変わりそうで。
それでも女の姿を見られなかった事に苛つくから。

侑「お疲れ様でした」

「あぁ。……悪い、歩いて帰るわ」

侑「いや、でも…」

「ありがと。いい、頭冷やしてぇ」

侑の肩を叩き歩いて帰った。


居る訳ねぇ。

けど何となく…

俺は、踵を返し歩道橋へ向かった。

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