
Restart
第13章 【番外編】ある日の話
『あぁぁぁ!…チカァ…もっと…んん…ぁぁ…』
校門の前で待ち伏せてた女が俺に腕を絡めてきて。
甘ったるい香水の匂いを振り撒きながら誘って来た。
ホテルに入ってされるがままの俺。
裸の女が俺の上で胸を揺らし腰を振ってる。
長い髪を振り乱しながら喘ぐ。
目を瞑り、顔も見てねぇあの女を想像した。
『んん!…チカァ…おっきく、なった…ぁぁ…』
その声に目を開けて、幻滅した。
途端に萎えた俺。
女を退かし、服を着始める俺を慌てて追い掛ける女に、『帰る』と告げた。
『嫌っ!どうしてっ?ごめんチカっ!…ねぇっ!』
裸の女をそのままに、俺はホテルを出た。
気持ち悪い。
初めてそう思った。
高校生の男はヤりたい盛りで。
俺もマジでヤれれば良かったのに…
あの香水の匂いも、あの喘ぐ声も。
あの腕も足も、身体も。
気持ち悪くて仕方なくなった。
この日以降、俺は全部の女を切った。
言い寄って来る女たちの全部が、〖Beastのチカ〗を求めてる。
チームのトップの俺がいいと。
大井智翔を求めるヤツなんか居ねぇんだ。
一ヶ月。
毎日歩道橋へ行った。
姿を見ると、ホッとする。
そこに居ない日は、心配で仕方なくて。
休みに行けば、さすがにそこには居なくて息苦しかった。
会いたくて仕方ない。
だけど、声を掛ける事も出来ない。
見知らぬ男に突然声を掛けられたって、怖がらせるだけだろうと思うと、安易に近付けなかった。
一ヶ月経った頃。
どうにかしたくて仕方なくなった俺は、侑に話した。
初めこそチーム関係だと思ったらしい侑だけど…
直ぐに何かを察したらしい。
翌日にはあっさり情報を伝えてきた。
侑「…ショウさんには…話さないんですか?」
「…」
侑「照れ臭い、です、よね…」
「…」
侑「けど。…きっとショウさん、寂しいって思うと、思いますよ?」
「……分かってる」
そんな事は、痛いほど分かってる。
何でも話してきた仲だから。
だから近いうちに話そうと思ってたんだ。
翔「おい。…チカ」
「…あ?」
翔「…お前さぁ…ずいぶん、水臭ぇ事してんな?」
「…何が」
翔「俺って…んなもんか?」
「だから。何がっつってんだろ」
翔「女切った事も。…惚れた女出来た事も……何で、隠してる」
「…」
翔「所詮…そんなもんか(笑)俺なんか」

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